ロマンシングサ・ガ2 Eternal Romance
発売元 | NTT出版 |
販売元 | ポリスター PSCN-5039 |
発売日 | 95年11月24日 (04年10月1日再販 NTCP-5039) |
価格 | 税抜2,427円 (税込2,548円) |
作曲 | 伊藤賢治 |
編曲 | 福井崚 |
Tr | Title | Time | Original |
01 | Prefacce to the Saga 〜Prolouge〜 | 6'42 | 03 遙かなる戦いの詩 〜 02 オープニングタイトル |
02 | Colors | 5'30 | 18 村2 |
03 | Aspirants | 5'26 | 12 竜の穴 |
04 | Mermaid Tears | 6'20 | 15 人魚の伝説 |
05 | Nereid Song | 5'25 | 14 船旅 |
06 | Myriad Mystique | 6'37 | 20 古代遺跡 |
07 | Exotic Dusk | 6'00 | 13 異国の街 |
08 | Bitter Prophecy | 6'00 | 06 異変〜ヴィクトールの死 |
09 | Embracing You in My Arms | 3'59 | 33 ダンストラックス #3 |
10 | Preciousness 〜Epilogue〜 | 6'20 | 30 エピローグ |
お薦め度:★★★
ロマサガ2の中から、バラード系の曲を選曲し、ストリングスとピアノを中心にアレンジ
しているCDです。基本的には、オーケストラアレンジのようになっていますが、
コーラスやスキャットを多用したり、その情景を意識させるような音を入れたりと
その枠に収まらないアレンジをみせています。アレンジ自体は全体的に物静かで
ゆったりと、のんびりとしています。
このCDは、収録曲のメロディーや、曲自体を好きになって、さらにこの曲たちを深く聴いてみたい
色んな角度で聴いてみたい、そういう思いに応えるものではないでしょうか。(アレンジCDとは大概そういうものですが)
ゲーム内の曲を、オーケストラの楽器を使って生演奏で表現すると、こうなる、そういう贅沢さを
味わわせてくれます。また、アレンジの盛り上げ方が映画のクライマックスのような感じになっていて
自然と入っていけるのも特徴です。
オススメは、M9の「ダンストラックス#3」です。
[Impression]
01:Prefacce to the Saga
〜Prolouge〜
「遙かなる戦いの詩」は、原曲ではハープオンリーだったものが、アレンジではハープを主体に
オーケストレーションで肉付けされ、立体的な仕上がりになりました。正統派のアレンジといえます。
「オープニングタイトル」の方は、メロディーが少し編曲され、落ち着きのあるバラード風の曲になっており
原曲のファンとしては残念なところです。オープニングというよりは、むしろエンディングの方が合いそうな
希望を含んだ余韻が感じられます。
02:Colors
冒頭の男女のコーラスは、イントロとして、またそのあとの展開とのつながりを考えれば、微妙な気もしますが
この曲の雰囲気を固めています。続いて原曲のメロディーがヴァイオリン→女声コーラス→ピアノと楽器を変えつつ
展開されます。こちらはどれも原曲の平和的な雰囲気が表れていて、安心できます。
03:Aspirants
「あの格闘家の曲がこのCDに?」という意外性から興味深い曲ですが、メロディー自体はクラシックの楽器に
合わないわけではありません。全体的にやや暗いですが、ヴァイオリンやホルンなどに上手くメロディーがのっており、
コミカルな面も含んだ面白い曲になっています。途中ワンクッション置いて、静かにヴァイオリン、オーボエで聞かせるところなど、
ゼラチナスマターを倒せない挌闘家の悔しさを感じさせ(笑)、起伏の少ないこの曲を引き締めます。
04:Mermaid Tears
可愛くてどこか寂しかった原曲のイメージをそのまま再現しています。最初は豪華にオーケストラ風に始まり、
「原曲とは違う攻め方?」と思わせますが、続いてリコーダー風の可愛い音、さらに哀愁漂うハーモニカ、
後半にはアコスティックギターがそれぞれソロに近い形で入ります。それは劇中人と話しているうちに、どんどん
町の人が姿を消す様のように、だんだんと曲は静の方向へ向かいます。曲の特徴を良く掴んでいます。
05:Nereid Song
打ち寄せる波の音と、原曲より数倍華やかになった冒頭のハープから始まる出足が、とてもファンタジックで
雰囲気作りが上手いですね。その分その後のピアノによるメロディーの存在感が小さく、拍子抜けしてしまう部分も。
それに続いて、ロマサガ3の海底宮を思わせるオーボエ、さらに金管で盛り上げて、ようやくイントロとつながるような
印象的なメロディーが登場します。
06:Myriad Mystique
原曲の持つ妖しさを、様々な楽器によってスローテンポで表現し、美しい妖しさを醸し出しています。
それに一役買っているのが木管楽器で、全体を通して印象的です。時折その妖しさがアジアンテイストになって(?)
表れる一面も。
07:Exotic Dusk
劇中は異国とはいえ、侍のいる和風な国だったのですが、ここでは完全に中国音楽を意識した作りに
なっています。曲の雰囲気はがらりと変わりましたが、この中国風がメロディーとマッチ、中国楽器の上品さと
神秘性を併せ持った音が曲全体を包み込んでおり、新たな楽しみ方が出来る。
08:Bitter Prophecy
オーボエとスキャットでしっとりと始まる出足から、全体を通して情緒に溢れ、派手さはないが感情豊か。
後半のスキャットなど、ヴィクトールの死を悲しむ叫びのようです。この曲の言いたかった事を全て具体化した
様なアレンジだと思います。
09:Embracing You in My
Arms
30秒強の原曲も、アレンジ一つでこんなにも印象的な曲になるのか、と感じさせてくれます。まずヴァイオリン2つで
純粋にメロディーを楽しませます。それがオードブルだとするなら、メインディッシュはそのあと、ピアノなどが加わり
まさに「Shall we Dance?」なダンスとラックスとなる後半。これが綺麗で、かなり良いアレンジと言えましょう。
10:Preciousness 〜Epilogue〜
何と言っても主役はコーラス。最初の子供から始まって、女声が出てきたり、男性が出てきたり・・・しまいには
混声合唱のようになり、歌詞まで付いたり・・・ここまでコーラスで攻めたアレンジも珍しいのではないでしょうか。
でもヴァイオリンの演奏部分の方が綺麗だなんて、口が裂けても言えません。書いたけど。
[関連CD]
・ロマンシングサ・ガ2
オリジナルサウンドヴァージョン [オリジナル]
・・・ロマサガ2のゲーム音源を収録。ボーナストラックあり。 【詳細】