発売元 | デジキューブ SSCX-10017 |
販売元 | SME・インターメディア |
発売日 | 1998年06月11日 |
曲数 | 17曲 |
価格 | 税別1,942円 |
作曲編曲 | 菊田裕樹 |
Tr | Title | Time | 解説 |
01 | Ancient Power | 4'02 | オープニングの曲です |
02 | Angel's Fear Again | 1'01 | ステージ・キャラ選択、ステージ前のあらすじのシーンの曲です |
03 | Quake | 2'53 | 珠州の曲です |
04 | Fire Wire | 2'53 | 高千穂の曲です |
05 | Strange Promis | 2'49 | 沖の島の曲です |
06 | New Day | 2'52 | 六雲祗戦(出雲)で流れます |
07 | Absolute Lady | 2'45 | 陰虎戦(1,2回目)で流れます |
08 | Riot Emotion | 3'12 | 我舞要戦、大和、塞上夜斗戦、陰虎戦(3回目)、淡島の曲です |
09 | Sign | 3'00 | 大和の山中で流れます |
10 | Frequency | 2'37 | 鹿島の曲です |
11 | Labyrinth | 2'35 | 出雲、富士の曲です |
12 | Broken Memory | 4'13 | 河伯戦(3回目)で流れます |
13 | Energy | 3'16 | 河伯戦(1回目)、六震祗戦(沖の島、富士、淡島)で流れます |
14 | Die On Destiny | 2'39 | OPデモ前半、六震祗戦(高千穂)、河伯戦(2回目)、ラスボス前半 |
15 | Regret | 3'08 | OPデモ後半とラスボス後半で流れます |
16 | Lovely Strains | 5'25 | エンディングで流れます。作詞:北山祐記、歌:京野ことみ |
17 | Silence | 1'38 | ゲームオーバー時の曲です。M3「Quake」のアレンジ |
オススメ度:★★★★★
「聖剣伝説」シリーズでお馴染み、菊田氏のスクウェアでの最後の作品です。
聖剣のサントラのライナーノーツでも音に対するこだわりを述べられていた氏ですが、
ゲームの媒体がCDに変わり制約から解放されたことで、全曲が総勢70名のスタジオ・ミュージシャンによる
生演奏という、とてつもないクオリティーとボリュームを持った作品を誕生させてしまいました。
主題歌(エンディングテーマ)はゲーム中で声も担当した京野ことみが歌っています。
演奏の形態はバンドであったりオーケストラであったりと色々ですが、いずれもやはり生だけあって
音がキレイで、またダイナミックでもあります。聖剣サウンドと比べると、さらに力強さが増した印象を受けますね。
曲の雰囲気は全体的にオリエンタル(?)な感じで、特に「Quake」のコーラスはとても特徴的です。
フレーズがいくつも用意されていて曲が二転三転するので、全く飽きないのも良いところ。
また、ピアノの使われ方が印象的で、この作品の一つのキーポイントといえるでしょう。
このCDは、ゲーム音楽という枠を超越した、強烈な個性を持った作品に仕上がっています。
菊田ファンはもちろん、とにかく色んな方に聴いていただきたい一枚です。
このCDの素晴らしさを伝えるには、私の言葉では全然足りません。是非実際に聞いてそのすごさを
実感してください。
[Impressions]
01:Ancient Power
弦楽器がメインの曲です。とても壮大で煌びやかですが、メロディーや楽器の音色がそうさせるのか
どこか悲しさを感じさせる独特の雰囲気を持っていて、それに圧倒されます。特に後半のソロからの
流れは、じっくりとこの曲の良さを堪能できることと思います。
02:Angel's Fear Again
ギターとピアノによる爽やかなサウンドです。短い曲ですがしっかりと作りこまれた感があります。
メロディーはソフトながら、編曲に深みがあって気持ちよく聞ける一曲です。タイトルから聖剣を思い浮かべる
方も多いかと思いますが、このCDの中でも特に聖剣サウンドに近い曲ですね。
03:Quake
このゲームのメインモチーフと思われる曲です。初めて聴いた時に、ある種の驚きを覚えるほど
インパクトが強いです。アジアンテイストなコーラス、歌声は不思議と心地よく、何を言ってるのか全く分からない
ところが逆に神秘的な雰囲気を増強させます。間奏のヴァイオリンもまたキレイで重要な役割を担っています。
ゲームでは夕焼けをバックにこの曲が流れるそうで、とても合いそうです。
04:Fire Wire
主旋律のヴァイオリンの高音が良いことは良いのですが、ややトゲトゲした感触が出てしまいがちです。
そこをピアノで上手くカバーしており、ドラムを加えたこの組み合わせが上手くいっています。
山を上り、そして降りていく場面で使われるということで、この疾風感溢れる軽快なサウンドが気持ちいいことでしょう。
05:Strange Promis
ゆったりとした重厚なサウンドの曲。舞台は夜の島ということで、BGMとしての役割に徹している印象です。
それでも途中ピアノが入ることもあって、結構サラリと聴けてしまいます。
06:New Day
ギターやパーカスの使い方から、南国風の陽気なサウンドという方向性が感じとれますが、そこを一歩手前で
とどめ、他の曲とのバランスを保っています。メロディーの音も洒落た雰囲気で、
感触もやわらかいです。しかし、これがボス戦で使われているというのは驚きです。
後半後ろの方でヴァイオリンが鳴っていて余計とも思うのですが、ボス戦だから?
07:Absolute Lady
M3での印象的なコーラスが再び登場します。前半はまたもピアノを洒落た使い方でメインに据えています。
その中でも最初は可愛く優しく、細い音で、次いでドラムに負けないくらいの力強い低音を用いており
いずれも印象深いです。そして後半はそのコーラスとバックの演奏とが見事にハマります。ラストのピアノの
か細い締めも良いですね。バックの演奏もなかなかの激しさを見せますが、これがまた合います。
08:Riot Emotion
イントロからの流れ(特に低音)がゲーム音楽らしくてカッコイイです。この曲でもピアノが目立っています。
ここでは不気味な雰囲気を出していて、このCDのオールラウンダーですね。そして無視できないのがベース。
この曲全体を支えていて、重厚なサウンドを構築しています。
09:Sign
じわじわと恐怖感が伝わってくる曲です。後半のヴァイオリンが高音だけにまた不気味です。
地味な存在ではありますが、BGMとしての質は高いです。
10:Frequency
船で夕暮れの海を進む場面の曲ということで、ピアノとアコギによるみずみずしいサウンドです。
テンポが程よくて、とにかく曲の雰囲気がすごく良いのです。気持ちも晴れやかになり、心洗われる一曲です。
さすがは菊田氏。
11:Labyrinth
迫り来るようなイントロの中から聴こえてくるメロディーは、その楽器の音色からこのゲームらしく「和」の
イメージを感じとってしまいます。メロディー自体も哀愁と深みがあって、菊田氏らしいです。
後半はイントロからシンセだけを抜き出した形で、イントロ自体よりも希望を持たせたような明るさがあります。
その一方で同じフレーズの繰り返しというのはやや気になります。
12:Broken Memory
仲間の父親と戦わねばならないシーンということで、ゲーム中に聴いてこそこの曲の真の哀しさがわかるような
気がします。弦楽器のみによる構成で、このようなタイプの曲の見本になるようなつくりです。そのメロディーに
心動かされるのは当然のこと、強弱のつけ方や盛り上げ方も上手く、曲全体で何かを訴えかけてくるような感じです。
13:Energy
前曲とは一転、エレキがギャンギャン鳴るロック調の曲です。でもあくまで双界儀のサウンドの枠の中に収まっており
万人受けする雰囲気を持ってもいます。エレキもここまでやってくれると気持ちいいです。そしてロックでありながら
バックでピアノがサポートしていて、良いアクセントになっています。さらに中盤(ループのラスト)では、その激しさから
解放されたかのようにピアノがしなやかにメロディーを奏で、その後はソロに。ここの静寂感にはゾクっとします。
ここが怖いくらいイイです。こういう構成に万歳。
14:Die On Destiny
ノリとしては聖剣のボス曲に近いかもしれないです。シンセとエレキが中心で、結構インパクトの強い音が
いくつも混ざり合っていますが、聴きやすいです。中盤のエレキメインの部分はやや寂しい感もありますが
軽さと重さのバランスが程よく、前曲もそうですが何よりカッコイイ!そしてラストが爽やかな雰囲気で
終わるのも可愛くて好きです。
15:Regret
前2曲のバトル曲よりもメロディーのテンポは控えめです。より重厚さが前に出ています。やはり激しい一辺倒
ではなく、前・中盤に一箇所ずつ小休止を置いているのは好感がもてます。特に中盤のシンセの目立つ部分などは
ラスボス戦独特の「最後」の雰囲気が感じられて、良いです。濃厚に絡み合うエレキサウンドで、じわじわと
心に火がついてきます。
16:Lovely Strains
なんとヴォーカルはあの女優の京野ことみです。彼女の歌声を聞けるというのは貴重ですが、声が小さくて細いので
あんまりよく聴こえません。(そして、そんなに上手くない(笑))メロディーのモチーフは、M3「Quake」となっています。
聴き所はむしろ、しっとりとまとめられているオーケストラサウンドで、丁寧なつくりから、汚したくない、そんな感じです。
特にまるでコチラの方がメインなんじゃないのかと思えるほど長い間奏は、ここだけで起承転結の流れがはっきりしていて
楽しめます。
17:Silence
M3のオルゴールアレンジで、唯一フェードアウトする曲です。オルゴールの音色に合わせたかのような
神秘的で透明感のあるアレンジがとても良く、また上手いと感じさせます。本当に合います。
[Special Thanks] レインさん 情報提供ありがとうございました